今さら聞けないトレンドラインの解説とそれを利用したトレード手法の紹介

こんにちは専業トレーダーの古川一です。最近低気圧で頭痛がひどい今日この頃、頭痛薬を服用しながら執筆しております。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は正しいトレンドラインの引き方や、トレンドラインを使ったトレードの例を詳しく解説したいと思います。

トレンドラインの引き方をネットや本で調べると色々出てきますので今更なにを解説するのだと思われるかもしれません。

しかし、実際問題、正しい知識を持ってトレンドラインを引くことが出来る人は100人に1人もいないと思います。

なぜそんなことが言えるのかというと、私は実際に100人以上の自称トレーダーにトレードを教える過程でトレンドラインを引かせる講義をしたところ、

正しいトレンドラインを引けた人は一人か二人程度でした。

教えるトレーダーの中には、「自分の実力は中級者ぐらいだ」と思っていた方ががそこそこいたのですが・・・まぁ結果は散々なものでした。

そもそもトレンドランの種類も2種類くらいしか知らない人が多く、ただ線を引いているだけの人もチラホラ。

さらに上昇トレンドを引けと言っているのに引いてはいけないラインでトレンドラインを引いていたりと結構悲惨な状態でした。

そういった観点から、今回は改めて「正しいトレンドライン系の基礎知識と5種のライン」「トレンドラインを使ったトレード手法」「ラトレード手法の実用向け参考例」の3点について記事にしてまとめてみました。

①正しいトレンドライン系の基礎知識と5種のライン

・トレンドラインの有用性

ではトレンドラインの引き方について、まずは重要性についてから軽く説明します。

トレンドラインを引くことによって、トレードにおいて次のような様々なことが出来ます。

1 補助ツールとして相場の流れ(転換点)や、重要な節目(ポイント)を見つけられる。

 相場に慣れている人の場合は、わざわざトレンドラインを引かなくてもチャートを見ただけで全体の重要ポイントを把握できます。

 どこが価格の節目なのか、重要なポイントなのか、意識されるポイントはどこかなどがなれと経験があるので即座に判断できます。

 しかし、そうでないトレーダーの場合はトレード中に、そういった重要な意識されるポイントを見逃してしまうことが多いです。

 重要なポイントとは、トレンドの転換が予想できるポイント、利食いすべきポイント、損切りすべきポイント、様子見した方がいいポイントなど色々あります。

 これらはトレンドラインを引かないと気が付かなかったり、エントリーした後から気付くといったミスをする可能性を未然に防ぐためにもトレンドラインは正しく引けるようになった方がいいです。

2 トレンドライン自体を売買シグナルの一部として、トレードルールに応用して使える

 後で説明しますが、トレンドラインを複数引いて組み合わせることで、チャートパターン(いわゆるトレードルール・手法)を作ることが出来ます。

3 利食い、損切りの目安として使える

  トレンドラインを引くことでどこまで株価が伸びそうか、トレンドの終わりのサインがわかるので利食い、損切りの目安として使える

このように、トレンドラインを引けるようになることで、トレードの戦術の幅が広がります。

トレンドラインの引き方と予備知識

トレンドラインは、ローソク足の中指と中指で2箇所以上を線で結びます

中指=前後のローソク足の中で突出している足(手の中指の形)

トレンドラインの引き方に正解はないが、基本的には数か月以上の長期間で引く

前回の中指の最低株価を割らず最高株価を更新した場合を上昇トレンド、逆は、下降トレンドいう。(ダウ理論に則った定義)

今回は実体ベースでラインを引くように解説していますが、高値安値ベースでラインを引いてもよい。但し、必ずどちらかに統一すること

基本的なトレンドラインの実例

上昇トレンド時は、ローソク足の下側に。

下降トレンドは、ローソク足の上側にラインを引く。 

間違った引き方の例

・チャネルライン

チャネルラインとは、上昇トレンド(下降トレンド)が引けた場合同じ角度でもう一本ラインを引くことで株価が推移する範囲を予測することが出来るトレンドライン

<引き方>

先ほど引いたトレンドラインと同じ角度の線を一本別に用意します。

それを、そのまま上にずらしていき、好きな場所の最高株価にあわせます。

そうすると下の画像のように成ります。

チャネルラインが引けると株価の変動幅の目安になります。株価もこの中で収まるように推移する傾向にあります。

また、この上下のラインが抵抗線となり、価格がそこで折り返す傾向にあります。

これを利用して、チャネルラインの上に価格がタッチしたら、売りを、下にタッチしたら、買いをすることで、うまく相場の流れに乗れる場合があります。

・ミドルライン

トレンドラインとチャネルラインの真ん中にもう一本角度が同じ線を引くことで、ミドルラインが引けます。

ミドルラインの下側or上側で拮抗し始めたら下側or上側の方向にブレイクする可能性があると予測できる

※いずれにしても予想のラインが引けるだけであって、自分が引いたチャネルラインの通りになるというものではない。(参考画像は、たまたまうまく機能した例)

トレンドライン全般に言えることだが、あくまでも今後ポイントになりそうな箇所を視可したラインだということを忘れないように。

・サブトレンドライン

サブトレンドラインとはトレンドライン中にトレンドラインより短い期間のトレンドラインを引いたものです。

例えば、上昇トレンドラインを引いた場合、上昇トレンドラインの中に、小さな下降トレンドラインを引くことが出来る場合がある。

これは、相場が上がったり、下がったりするので、一時的な下げのラインとして引くことが出来るからである。

サブトレンドラインは、メインのトレンドラインと交差するように引く。

※これは後に出てくるトレード手法紹介の方では登場しません。知識としての紹介にとどめます。

・水平ライン

最高株価と最高株価同士、最低株価と最低株価同士を水平に結んだ

※ピッタリ水平はほぼありえないので、だいたいの平均値(だいたい)で引いてもよい

あくまでもこの辺で止まるだろう的なラインとして引く

上図のように株価を水平に必ず上下セットで引くこと

水平ラインの拮抗が崩れるブレイクアウトが発生する場合もあるので注意

ちなみに、ブレイク後は、水平ラインを引いた時の値幅で一旦収まることがある。

※あくまでも目安。絶対ではない

ここまでが、基本的なトレンドラインの引き方についての解説です。

次はトレンドラインが引けた後どのように活用することができるのかを解説していきます。

②トレンドラインを使ったトレード手法

トレンドラインが正しく引けるようになった後は正しいトレンドラインを活用してトレードの幅を増やすことが出来ます。

この章ではトレンドラインを使ったトレード手法を前章で引いた色々な種類のトレンドラインを例を交えて解説してきます。それぞれの詳しい手法の解説は別の記事で紹介します。今回はこういう手法があるという程度の解説まで。

・チャネルラインを使ったトレード手法

ここではトレンドライン~チャネルライン内で株価が推移しやすい性質を利用したトレード手法を紹介します。

最初にトレンドラインの引き方を解説したと思いますが、トレンドラインが引けたらチャネルラインも引けます。まずはチャネルラインまで引けたことを前提で説明します。

チャネルラインの説明で少し触れましたが、基本的にはこのチャネルラインの上下のライン内で株価が推移すると過程した場合、

上昇トレンドであれば、上昇トレンドラインに触れた場所で買いエントリーをします。その後チャネルラインの上の線付近で決済します。

下降トレンドの場合は逆で、下降トレンドラインに触れたら空売りをし、反対のチャネルライン付近で決済します。

チャネルラインを使った基本的なテクニックはこれになります。

しかし、このチャネルラインがいつまでも機能し続けることはあり得ません。

=ブレイクアウト現象が起きる

そのために最初からブレイクする場合を想定しておきましょう。次で紹介します。

・ミドルラインを使ったトレード手法

チャネルラインが機能しなくなるタイミング=ブレイクアウト現象を利用するためにもう一つのテクニックを使います。

それは、ミドルラインを使うことです。

このラインを引くことでチャネルラインが機能しなくなることをある程度事前に察知することができます。

つまりはミドルラインの紹介で説明した”ブレイクアウトの兆候を見ることができる性質”を利用します。

ブレイクアウトの兆候が出たような場合は、ブレイクアウト狙いに切り替えるか一旦様子見を選択します。

・水平ラインのレンジ売買手法

水平のトレンドラインを使った手法は、主に2通りのやり方があります

1つ目は、レンジ売買と呼ばれる方法

2つ目は、ブレイクアウトと呼ばれる方法

基本的な考え方は先ほどのチャネルラインの時と同じです。

1 レンジ売買

こちらは、株価が水平ラインの中を推移する傾向を利用して、上のラインにタッチしたら売り、下のラインをタッチしたら買いをすることによって、利益を狙います。

2 ブレイクアウト

これは水平ラインがブレイクアウトしたときの図です

ブレイクアウトした場合、株価がそちら側に一気に突き抜けます。

※現在の価格の位置、これまで価格の推移、出来高等などを考慮することで、ブレイクするかどうかなどの方向を見定めることができます。

(完璧には無理。あくまでも予想を当てられる確率を上げられるといったもの)

大体、レンジの状態が7.8割。ブレイクする可能性が2,3割といわれています。

以上で、簡単にはなりますがチャネルラインと水平ラインのトレード(エントリー)の活用方法を解説しました。

次に、具体的なエントリーのポイント、決済方法、損切りの仕方について解説したいと思います。

③トレード手法の実用向け参考例

・チャネルラインを使ったトレード手法参考例

チャネルラインを使ったトレード手法のエントリー、利食い(利確)、損切りの目安について

<実用向け参考例>

エントリー

チャネルライン・水平ラインのエントリーにつきましては、先ほどの説明にもありましたので割愛しますが、主に、上下のラインをタッチしたら買い(売り)をします。

利食い

利食いについても先ほど解説した通り、エントリーした反対方向の線にタッチしたら利食いします。

損切り

方法は色々がありますが参考例を2つほど挙げます。

①買いなら、直近の安値を割ったら損切り(売りは逆)

②チャネルラインのターゲットで得られる予定利益の1/5程度(難しかったらエントリー価格からー○○%で決めてもよい)

損切りの具体的な数値は、各自で売買の記録を取ったり、過去のデータを取って導きだしましょう。

なぜそのまま模倣をするのでなく自分でデータを出さなければならないかというと

トレードでは、人によって主観が違い、エントリーのタイミングがずれます。このことから、ベストな数値は人によって変ります。

又、別の理由に全員が同じタイミングで売買することは、不可能といったことがあげられるので自分でベストな条件を選定する必要があるのです。

そうすることで、損小利大。期待値が上がります。

※数値の調整方法の記事は今後作成予定です

・水平ラインのレンジ売買手法参考例

水平ラインの上下で売買をするケースです。ブレイクアウトに巻き込まれない限り利益を得られるケースが多く高勝率なのが特徴です。

ただし、取れる利益幅がレンジの範囲に限られ大きな利益を得られるわけではないので大きな損をすると取り返すのに時間がかかります。

今回は買いパターンでの紹介です。

<実用向け参考例>

エントリー

水平ラインの上にタッチしたら売り、下にタッチしたら買い

利食い

エントリー後、反対の水平ラインにタッチしたら利食い

損切り

水平ラインを割り込んだら損切り

または、損益率が1%~2%

・水平ラインのブレイクアウト手法参考例

上で紹介した水平ラインのブレイクアウト手法を掘り下げます。

下図は先ほど紹介した水平ラインのブレイクアウトを説明した図です。

<実用向け参考例>

エントリー

水平に引いた線を上に越えたら買い、下に抜けたら売り。

このとき、水平期間が長いほど、ブレイクした後に上昇する幅が多い傾向があります。

利食い

どのような状況下で、又はどのように株価が推移して、水平ラインが出来上がったかによって、狙える幅が変ります。

・1年以上の長い水平ラインが引けるような場合、ブレイクしたら大きな相場になる可能性がある。

・株価が高値圏を推移している場合は、短い期間でもブレイクする可能性が高いし、低位値だと、ブレイクする可能性が低い傾向がある等・・・

さらに、ブレイクアウトに関しては、ブレイクしてから相場のトレンドが出来上がって、数ヶ月巡行する場合もありますが、1,2日と一瞬で力尽きる場合もあります。

あまり利益を大きく狙いすぎると、失敗の連続になりますが、小さく狙うと、今度はリターンとリスクが会わなくなる可能性があります。

初心者の方は、とりあえず、含み益が+10%前後又は、トレイリングストップで利食いを決めても良いでしょう。

損切り

ブレイクアウトの瞬間は、株価が一瞬で上昇することもあれば、逆に、少し超えただけで、いきなり急落する「騙し」や、一度超えたと見せかけて、株価が下がり、また上昇していく「振るい落とし」などといったことが日常茶飯事です。

ブレイクアウトを狙う場合の損切りはなかなかに難しいです。

ブレイクアウト狙いでは、成功する可能性が2,3割と言われています。

損切りラインは最終的には自身の売買記録からもっとも適正な場所を見つけることになりますが、とりあえず初心者の方は、損益率が1%~2%。又は、前日の安値割れとしましょう。

要点まとめ

今回は、トレンドライン、チャネルライン、ミドルライン、サブトレンドライン、水平のトレンドライン

主に5つの基礎的なトレンドラインの引き方とトレード手法のまとめになりました。

トレンドラインには、まだ種類がありますので、興味がある方は勉強してみてください。

トレンドラインを引くことによって、意識されているポイントが見えるようになります。

チャートパターンなど発見しやすくなるので、チャートパターンを使う方は、引いてみるとより見つけやすくなるでしょう。

また、トレンドラインを引いて、上昇トレンド、下降トレンドをはっきりとさせれば、トレンドに逆らって不利な売買を防ぐことが出来ます。

今回は正しいトレンドラインの引き方と活用方法を紹介しました。

活用方法については紹介程度にとどめておりますが詳しく書いてしまうと膨大な記事の量になってしまうので、各手法の詳しいやり方についてやトレードルールの作り方については別途記事を制作したいと思います。

宣伝になってしまいますがこの度、Youtubeで日経平均の解説や取引の解説の動画をアップし始めました。もしよかったらそちらもお試しいただけるととてもうれしいです。

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それではお疲れさまでした。

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