期待値の信用度を上げる過去検証の方法
こんにちは古川一(ふるかわ はじめ)です。
この記事はカリキュラム第11の内容になります。記事は古川監修/助丸編集で執筆しています。
前回、期待値の信用度を上げるにはどうすればいいのか?という課題に対して
”シンプルにデータ量を増やせばいい”という話をしました。
ではどこからデータを持ってくるのか?そう、過去のチャートから持ってきましょう。
というわけで今回は「過去検証のやり方」に重きを置いて解説していきます。
ここの実践が作業的な大変さのピークと言っても過言ではありません。
この過去検証作業の要領を掴んで、慣れてしまえば相場からの脱落は基本的にありませんし、勝てるトレーダーの思考を掴んだといってもいいでしょう。
今回も前回同様に「大きい陽線の終値でエントリー→5日後の終値で決済」という適当なトレードルールで過去検証する仮定で話を進めます。

それでは解説していきます。
過去データの集め方
自分のトレードルールの期待値に根拠を持たせるには「過去検証」しか基本的には方法がありません。
作業自体は単純です。覚えれば中学生でもできるでしょう。
しかし、刺激的なものではないです。作業が苦痛な方もいるでしょう。(要領を掴みさえすれば逆に、「これをやったら勝てるのでは!?」とワクワクする思考に変わります)
うまくいけば贅沢かどうかは別としてトレードだけで生活できるようになる可能性を考えると魅力は変わらないと思います。
少し脱線しましたが本題です。
過去検証をするには、まず過去のデータを手に入れなければなりません。
過去のデータを手に入れるには、証券会社のチャートソフトを使えば何年か前のデータまで遡れるので、それを見て自分のルールに合致したチャート情報をリストアップしていく方法があります。
今回のルールでいうと「大きい陽線」が確認できるチャートを探してリストアップしていくみたいな感じですね。
作業工程としては以下になります。
① 仮で暫定的なルールを作る
② ①のルール用のエクセルシートを売買日記と同じ要領で作成する
③ 適当に銘柄をピックアップする※
④ ピックした銘柄の過去のチャートを見てトレードサインが出ている場所がないか目視で確認する
⑤ トレードサインが出ていそうな場所を見つけたら条件にあっているか確認する
⑥ 条件が一致しトレードサインが出ているならその場所をメモし、実際にトレードした想定で②で作ったエクセルに記録する
一度①②③が終わってしまえばあとは④⑤⑥を1トレードとして繰り返しトレード数をこなしていくイメージです。
※JPX(日本取引所グループ)が上場銘柄一覧を毎年表データで出してくれているので、その銘柄一覧の中から1つずつチャートソフトで見ていくなど。
本当は最低でも一年で100取引分以上のデータがほしいですが最初からは大変だと思います。
ランダムに10銘柄ピックアップして、過去のトレード検証データを10件集めたらそれを1セットとし、
最低でも2セット(20銘柄分)の過去データを見て暫定の成績(期待値=)を見るぐらいから始めるのがいいと思います。
データが少ないと結果がプラスかマイナスに偏っている可能性がありますし、数字が大きく出やすいのであまり参考にはなりませんが一旦期待値がプラスのデータが出たのであればこの作業を続けます。
期待値がマイナスだったとしても得るものはありますので、2セットはやりしょう。
得るものとは、「このやり方では勝てない」という貴重な情報です。極論勝てないやり方を全部見付ければあとは勝てるやり方しか残ってないという考え方もできます。
もちろんデータ数が多いほうが信頼度が高いデータになるので慣れたら100データチャレンジしてみてもいいかもしれません。
やっていけばどんどん効率化されていくものですので、めげてもいいので一度自分のトレードルールの成績を得る体験をしてみてもいいのではないでしょうか?
過去データの入力項目
過去検証に必要なデータは実は売買日記でつけるデータとあまり変わりありません。ルールによって誤差はありますが下図のように見やすく自分でまとめて大丈夫です。

薄い赤で塗られているエリアは成績をまとめた場所になります。横に書いているアルファベット等は計算式です。意外とやっている計算が単純なのが分かると思います
過去検証のデータ入力をする時、古川の検証ルーティーンは、
①トレード手法を学ぶ
②過去のチャートでサインが出ている場所のデータを集める
③自分が納得するデータ量が集まったら期待値を算出してみる。※本気ではデータを集めない。直近1、2年の範囲でざっくり見る。
④期待値がよかった場合は、もっと多くの銘柄(データ)で本格的に集計をとる。または、期待値が微妙でも改善の見込みがありそうだったらルールを少し変更してデータを集め直して集計をとる。
みたいな感じで途中経過を見ながらデータ入力を進める感じでやっています。
要領を掴んできたら集計ソフトを使ったデータ検証もお勧めです。いずれ記事でもやり方を紹介します。
※集計ソフトは高額なものが多いし自分に向いているかいないがあるので入手は絶対条件ではないです。それに集計ソフトは扱いが非常に複雑なので使用には難易度が高いです。ソフトを使うより普通に手作業でデータ集計をしたほうが早い場合もありますので、まずは地道に手作業で検証作業をして要領を掴みましょう。
僕も経験した上で感じることなのですが、
何かに挑戦中の人が新しい負荷に耐えながら学習・作業を継続をするというのは慣れた人よりもすごいことをしていると思います。
今はしんどいかもしれませんが、株式市場はどこかに逃げてなくなってしまうわけではないので焦らずやればそのうち慣れます。
一旦やってみてから続けられないと思うのであれば「一時的に休む」「ペースを落とす」「誰かと一緒にやる」のも全然ありです。
トレードや投資から永久に身を引いてしまうくらいなら休んだほうがまだマシです。
「過去検証をやったところでこの先の未来もルールが機能するかは分からない」と思うかもしれませんが、
過去検証はあくまで未来を的中させるためにやるのではなく、自分の行い(トレード)が妥当であるかどうかを確かめるためにやるのです。
※「適当に感情に任せてトレードするよりは、過去検証のデータにのっとって今後もその検証データが再現される可能性に賭ける方がマシ」と捉えてもいいでしょう。
後々の記事で書きますがデータ量があれば未来を予測できなくても「対策」は打てます。いろいろ考えるのも大事ですが手を動かして結果を得ていきましょう。
多くのデータでやる利点
検証作業において、どんな利点があるのかを改めて見てみましょう。
利点がわかっていないと、「なぜこんな意味ない事をやるのだろう?」「これをやっても意味があるのかな?」というような検証作業自体の目的を見失う可能性があるからです。
検証作業の利点と、やる意味についてはある程度触れてきたのですが、まとまっていなかったのでここでまとめてみました。
多くのデータでやる利点
1,データ量があるとトレードルールの信頼度が増す。
2,データ量があると数回データ入力ミス(トレードミス)しても結果がそんなに揺らがない。
3,データ量があると自分で作ったトレードルールを繰り返し頭の中で反復するのでミストレードや誘惑に負けるようなトレードが激減する。
4,たくさんのチャートを見ることで次のトレードルールやルール改造案が自然と出てくる
5,ドローダウン時期を知ることができる。
6,一回一回の勝ち負けにこだわらないようになる=イライラがなくなる
ざっくりこんな感じでしょうか。
逆に欠点みたいなのは「めんどくさいの感情がたびたび出る」ぐらいのものです。これが強敵ではあるのですがこれだけです。
物事で結果を出そうとしたら相応に時間がかかったりめんどくさいことを許容しなければならないのがつらいところですね。
しかし、ここを乗り越えちゃんとルールが作れれば
・資金が少なくてもできて
・朝と夕方だけ数分作業すれば後は自由時間で
・これだけで生活できる可能性があり
・やり方を間違わなければ起業や不動産投資のように借金スタートのようなリスクはなく
・失敗しても復帰は容易
・嫌な人間関係を無理に継続する必要がない
・資金がたまればトレードから長期投資へ移行し不労所得で暮らせるたり好きな事業を低リスクで始められる可能性がある
こんな夢が叶うかもしれません。これが叶うのは株式トレード以外なかなかないと思います。
どうせめんどくさいことをやるなら一旦は株式トレードに触ってみるのは大いにアリだと思いませんか?
ここでなら最低限のことは無料で学べるのでチャンスではないでしょうか?
まとめ
「トレードで生き残りたい、勝ちたいなら過去検証をしよう!」
でした!
というわけでお疲れ様でした~( ^^) _🍵~~
今回は「期待値の信頼度を上げる過去検証のやり方」についての解説でした。
前回も伝えましたが大変なのは慣れるまでです。
その場での計算やスピリチュアルなもので市場の未来を当てれば勝てるならきっと有名なトレーダーには占い師や数学者、プログラマーが名を連ねるはずです。
でも実際にはトレーダーにそんな肩書の人はほとんど出てきません。
やはり過去検証しかトレードルールの妥当性を支持できるものはないようです。
しかし、第六感がなくても頭がそんなに良くなくても勝てる人がいるというのは希望ではないでしょうか?
ここが分水嶺です。じっくり腰を据えて自分のペースでやっていきましょう!
僕たちの夢で「オンライン個別指導で投資・投機の”勉強方法”を伝える塾」というのを考えています。
皆様の応援で実現するかもしれません。もしよかったらですがこれから何卒宜しくお願い致します。

