株トレードにおける期待値の重要性
こんにちは古川一(ふるかわ はじめ)です。
この記事はカリキュラム第9の内容になります。記事は古川監修/助丸編集で執筆しています。
前回までトレード手法の解説をしていきましたが、例えば野球本を丸暗記してもその場でプロ野球選手になれないように、
手法の丸暗記だけではトレードで生き残っていくのは現実的ではありません。
ポイントを抑えながら実践経験を積むのが地味ですが最強です。
今回はそんなポイントの話でトレードで生き残っていくために必要な概念「期待値」についての解説を行います。
トレードでは以下のことをすると負けるようにできています。
・勝ちトレードで終わった回数(勝率)にのみこだわり、「期待値」を理解せずにトレードする。要するに勝率だけにフォーカスする。
・トレードルールの検証や売買日記を書くのを怠って根拠なく取引する。
・全てのトレードで勝とうとする。もしくはある程度の負けを想定しつつも、「それは稀なことだ」とリスクを軽視して楽観的なトレードを繰り返す
以上すべて負けに繋がります。負ける原因は先ほどから書いている通り「期待値」という概念を知らないからです。
「期待値」はトレードで生き残っていくために絶対必要な知識になるのでとても重要です。
それでは解説していきます。
期待値とは
トレードにおける期待値とは”トレード1回で何%の損益が率見込めるか”を数字で表したものです。
数式で書くと
「期待値=全ての取引で出た損益率(%)の合計÷取引回数」
※1 トレード1回の損益率=(「決済時の株価」ー「エントリー時の株価」)/「エントリー時の株価」×100(%)
※2 ※1の解をプラスマイナス関係なく合計する=全ての取引で出た損益率(%)の合計となる
となります。数式だけ見ると平均損益率と呼んでもいいかもしれませんね。
例えば1年間の過去検証で100回トレードして損益の合計が200%だったら期待値は200(%)÷100(回)=2(%/回)←平均するとトレード1回あたり資産が+2%増えることが見込める。
ということになります。100回トレードして損益の合計がー200%だったら期待値は-2(%/回)です。
トレードで生き残っていくためには”一時的に損があっても大丈夫なようにトータルで勝てるようにする”という考えが必要です。
そしてトータルで勝てる状態(平均がプラスな状態)なのかを確認できる数値が「期待値」なのです。
「過去の検証をしても未来のことはわからないじゃないか!?」と思うかもしれませんが、
それはその通りなのですが過去検証をしておけば筆者の経験上大きく外れることはないです。少なくとも根拠なくやるよりはマシだと思います。
期待値がプラスで出ている間は基本的に繰り返しトレードすることで資産が少しずつ増えていきます。
無計画に一度に大きく資金を賭けるギャンブルトレードではまず生き残れないのでこのことは肝に銘じておきましょう。
勘違いしやすいデータ「勝率」
冒頭で
・勝ちトレードで終わった回数(勝率)にのみこだわり、「期待値」を理解せずにトレードする。という思考でいると負けるようにできている。と紹介しました。
勉強不足な状態でトレードしている人はこの「勝率」に固執するあまり負けてしまうのです。
トレードで勝つためには「100回中100回勝てるように、勝率を100%にすればいいのでは?」と考える方も多いと思います。
そう考えたくなる気持ちもわかりますが、しかし断言します、取引を何度もする中で勝率100%を維持するのは不可能です。
そして勝率を高くするということは極端な話 ”買った株価から少しでも上がったらすぐ決済する” ”しかも回数を多くはやらない” という薄利なトレードをやるか、
もしくは、"損切りをしない"トレードをするということに結果なっていきます。
薄利で負ける理由は大きく分けて”手数料(コスト)負け”と”損した後の資金の回復が間に合わない”の2つです。
トレード回数を重ねるとわかりますが、どこかで大きい損をしたり、小さい損がかさんでいったりする時期・タイミング必ず来ます。
薄利でやっていくと資金が下がったところから回復するのに時間がかかり、回復中にまた損をする、そうすると勝率は高いのにずっと損していくということがよくあるのです。
実例ですが、1日1ティックで1万円利益を得るというやり方でトレードしていた主婦が今まで薄利で勝っていたのが1ティックが取れずに一撃で半年間利益が続いたトレードが全て吹き飛んでマイナスになったという事例があります。(私の所に相談に来た実例。その時、まだとんでもない含み損を抱えた株を持っていました)
また、損切りをしないというトレードは詰みに入っているのが受け止められずに損を膨らませ1度の負けで全ての資金を失う可能性があります。
ここでの実例を上げると、損切りしないプログラムを使ったトレードをしている友人が"利益になった株は利食い" "損をしている株は放置"という戦法を使っていましたが、結局放置していた損失株が保有資産の大半をしめ身動きができず、最後には膨大な含み損を抱えた状態で何もできずにショートしたということもありました。
期待値の話に戻りますが、こういったことがあるので勝率と期待値、目指す数値を勘違いすると生き残れないのです。
目指す数値
ここまで読むと「じゃあどれくらいの期待値があればいいのか?期待値だけでいいのか?」という問いが生まれるでしょう。
次に結論をいうのですがあくまで目安なのでピッタリにする必要はないですが一応載せておきます。
目指す数値:期待値1%以上、年合計損益率100%以上、取引回数年平均50回以上、勝率25%以上
気にする数値:期待値、合計損益、取引回数、損失が一番重なった時の%、損失から回復するまでにかかった最大期間、勝率
(ちなみに重要度は、期待値>合計損益>取引回数>損失が一番重なった時の%>損失から回復するまでにかかった最大期間>勝率のイメージです)
実際はトレードルールに条件の追加や無駄を省くなどして期待値を上げていけば取引回数は減っていきますが、年合計損益率と勝率は勝手に上がっていきます。
(しかし限度はあります、取引回数も減りすぎると年合計損益率100%以上を達成出来なくなります)
ちなみに期待値が+1%というのは数字としては小さく思えますが、あえて長期投資と比べると
有名な長期投資のインデックス投資(S&P500)の年間利益がいいところ+20%程度なのに対し、
期待値+1%で1年仮に100回トレードすれば単純計算で年間利益は100%、更に複利も掛け合わさるので実際は1年でもっと資産が増える可能性が高いです。
年間利益+100%というのは投資元本が1年で2倍になったことを表します。
某国民的アニメに出てくる秘密道具で饅頭の個数が一定時間で勝手に倍々になっていき収拾がつかなくなる怖い話がありましたが、あんな感じを想像していただくと威力がわかると思います(笑)
ルール次第では朝か夕方の片方だけ30分程度チャートを確認して注文すれば成り立つものも作れるので、実際は年100回トレードでもするだけならハードルは低いはずです。
だんだんトレードの魅力が伝わってきたでしょうか?
※今回は長期投資と比べましたが、どちらの方が優れている、正しいという話ではないのでご理解ください。
まとめ
まずはトレードルールを一つ考えて過去検証して期待値+1%以上を目指そう!
でした!
というわけでお疲れ様でした~( ^^) _🍵~~
今回は「期待値」についての解説でした。
次回は「売買日記と期待値の算出方法」をご紹介します。お楽しみに!
今日も一歩進めて素晴らしいです!
僕たちの夢で「オンライン個別指導で投資・投機の”勉強方法”を伝える塾」というのを考えています。
皆様の応援で実現するかもしれません。もしよかったらですがこれから何卒宜しくお願い致します。
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